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古屋へ行ってきた。

いつもなら、この時期だし桜でも見に行こうくらいの楽しい旅であるはずだけれど、今回は急死した友人の葬儀が目的だったのだ。

こんな旅はなるべくならしたくない。でもここで暗い旅やブログになってしまっては、天国からか地獄からか分からんが見ているであろう奴も喜ばんと思うので、楽しむことにした。奴もライダーで旅人だったとこだし、その方がいいだろう。


さて、急死の報を受け取ったのは4月1日の昼だ。通夜は3日の夕方からだという。幸いにもその日と告別式のある次の日にも仕事は入っていない。

2日の仕事を終えてから名古屋に移動するのはどうしたらいいか?

一番楽な「函館~せんとりゃー、もといセントレア(中部国際空港)」の飛行機は1日1便しかなく、往きは通夜の時間に間に合わず帰りも告別式が終わる前に出てしまうので使えない。まぁどっちにしろ満席だったのだが。
そして「千歳~せんとりゃー」も空きがない。週末だし、しかも4月の頭なんて新生活の移動ラッシュなんだろう。仕方ないか・・・。

そうなると函館か千歳から羽田に飛んで、名古屋までは新幹線といきたいところだけど、それすらも空きが少ない。千歳発でしかも正規料金しか残ってないじゃないか。千歳までは車で4時間もかかるので、出来れば避けたいところだ。

幸いにも東京から名古屋までは同じように参列する友人の車に便乗できることになったけど、東京まではどう移動したらいいのだ・・・。
函館から青森にフェリーで渡り、後は夜行バスに乗り継ぐ格安プランをフェリー会社がやっているけど、それは三十代後半の身体にゃきつい。残るは青函トンネルを抜ける特急白鳥と新幹線の乗り継ぎだけど、東京到着の時間が微妙だ。できれば昼までに着き、高すぎず、しかも楽な方法はないものか・・・。

そこで今回選んだのは、
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寝台特急「北斗星」だ。

北斗星と言えば、88年に青函トンネルが開通した時、上野と札幌とを結ぶ豪華寝台特急として鳴り物入りでデビューしたブルートレインなのだ。

これなら夜に出て、寝台で横になって翌朝起きたらもう東京だ。しかも函館発で新幹線や北斗星に乗れる東京までの往復切符が29500円で売られているのだから、これを使わない手はない。片道にすれば、飛行機の早割プラスアルファで、狭い座席に詰め込まれずに寝て行けるのだから。

残念ながら格安切符だけあって、北斗星の売りとも言える個室寝台には乗れずカーテン仕切りのB寝台車だけど、まあ久し振りのブルートレインだし楽しみだ。


そして2日夜、近くの森駅のホームで待っていると、ブルーの帯がゆっくりと滑り込んできた。

これですよ、これ。特急列車や新幹線、飛行機ですら今は誰でも乗れる存在になったけど、この青一色と金帯の車体は今でも「遠い所へ連れて行ってくれる、特別な存在」という威厳と風格に満ちていると思う。

もっとも、登場からは既に20年以上が経っているし、そうでなくても車両自体はその前の国鉄の頃から走っていたのをリニューアルしたものだ。よく見れば外見はあちこち凹んで波打ってるし、塗装の剥げなどもあって結構くたびれてもいる。

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古くからある開放式(個室ではなくカーテンでベッドを仕切っているだけ)二段ベッドのB寝台車の車内へ入れば、あちこちの造りは無骨そのものだし、「昭和49年製造」なんて銘板も貼ってあったりして、何となくレトロな香りさえ漂う。これに正規料金を払って乗ったら「この料金でこの程度の設備か。金返せ!」と言いたくなるかもしれない。

でも、そのベッドに自分でシーツを敷いて支度を調え、通路の折りたたみ式のベンチを引き出して通り行く夜景を見ながら一杯やっている気分は最高だ。ある意味、どんな高級なホテルに泊まっても味わえない贅沢なひとときだと思う。

でもその贅沢な空間も、飛行機料金の下落と、旅そのものに時間の余裕がなくなったからか、かなり数が減った。東京や大阪と九州各地を結んでいた数多くのブルートレインも今はなく、寝台車を繋いでいる夜行列車はこの北斗星の他に全国にも7本しか残っていないという寂しさで、これ以上減らないことを祈るばかりだ。


自宅最寄りの駅も通り過ぎ、うっすらと見える大沼湖畔を横に見ながらトンネルを抜けると、眼下には函館の裏夜景が望める。夜の函館本線からはこんな景色が見えたのだとちょっと嬉しくなる。


週末だけあってほぼ満席だ。他の車両も覗いてみるけど個室もほとんど埋まっていた。いつかはシャワー付き豪華個室の「ロイヤル」も乗ってみたいな。まぁ料金も高いので、シンプル個室の「ソロ」や「デュエット」で妥協するのが関の山だろうけど。

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やや興奮気味でなかなか寝つけなかったけど、翌朝は大宮を発車するまで爆睡できた。

上野駅に着くと、この通り。鉄道ファンやこの列車の乗客が一斉に群がってきた。もちろん最近話題の「鉄子ちゃん」もいる。老若男女それぞれがこの列車に向かって盛んにシャッターを押す。
この光景を見ていると、やっぱりこの「北斗星」は登場22年を経て、今では更なる豪華寝台特急「カシオペア」が君臨しているにもかかわらず依然として「憧れ」であり続けてるんやなぁと強く思った。

そしてみんなが憧れるのは、車両の新しさや格好良さや豪華さなどではなく、長年にわたって遠い土地との間で人々を運び続けたブルートレインのこの青い車体だけが醸し出す「威厳」と「風格」なのではないだろうか。

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友人と待ち合わせ、中央自動車道を西に向かう。

渋滞予測情報では、東名高速の渋滞はかなりの規模になるという。そこで、若干距離は延びるものの規模の小さそうな中央道を選んだのだった。

果たしてその選択は当たっていて、ほとんど渋滞らしい渋滞に引っかからず、快調に関東圏を抜け、信州にさしかかる。

目の前にはまだ雪をかぶった南アルプスや八ヶ岳がそびえる。この次々に姿を変える山々の景色は中央道の醍醐味だろう。

もっとも東名高速だって富士山が望めるし、海だって見える。でも渋滞がないというのはそれらを補ってなお余るアドバンテージだ。何しろ北海道に移り住んでからというもの、渋滞というものにはしばらくお目にかかっていないので免疫がなくなっている。ただでさえせっかちな元大阪人で、渋滞知らずのバイクに慣れていたのだから尚更だ。こんなとこでイライラを蓄積させるのは極力避けたい。

結局、通夜の1時間前には到着できた。

何年かぶりに会う旅仲間も大勢集まっている。盛大に見送ってやるとしよう。
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