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て、
このジェネレーター(オルタネーター又はステータコイル)を自力で修理すると決めたはいいが、まずどうするか。

これの故障、すなわち発電電圧が下がるということは、配線がどこかで断線していたり、エナメル線の絶縁被膜が剥がれて短絡が起こっているということを意味する。
その箇所を見つけ出してそこだけ修理できればいいのだが、それは残念ながら至難の業だ。

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何しろ、写真のように幾重にも巻かれているエナメル線の中から不良箇所を見つけ出さねばならないのだから。考えただけでも気が遠くなりそうだ。

だから、ほとんどの場合はこのエナメル線をすべて引っぺがし、新しい線をもう一度同じように巻き直すのだ。

まあ、どちらにしても気の遠くなりそうな作業に違いはないが、挑戦する人も少なくはない。それら偉大なる先人たちのウェブページを参考(車種が違うので完全な参考にはならないが)にして、作業を始めた。


失敗しては元も子もないので一応、発電機の原理をおさらいしてみる。ふむふむ、「フレミングの右手の法則」か。「左手の法則」ちゅうもんもあったけど、それは電動機か。そんなんも中学校かで習うたな・・・。なになに、発電コイルは、巻き数が電圧、線の径が電流に関係してるとな。で、コイルに磁石が近づく時と離れる時で電流の方向が逆になるので、必然的に交流発電機になり・・・位相がなんたらかんたら・・・。まあ何とか理解できる内容ではある。

ちなみにこれのことを「ダイナモ」と呼ぶ人もいるが、正確にはダイナモとは「直流」発電機のことを指すそうだ。バイクや自動車の発電機は「交流」発電機なので正式な名前は「オルタネーター」となる。ナルホド。


バイクのサービスマニュアルにある配線図を見ると、左側2本は点火系、右側3本が3相交流の発電系だということになる。そこで作業にかかり、まずケーブルに繋がっている配線部分を切断。本体を切り離すと同時に、ノギスでエナメル線の直径を測る。

元々の線径は0.8mmだった。今度は0.85mmの線で若干の電流強化を図ることにする。
そして巻き数は、この発電系3本の線をひっぺがして、18本ある極にどっち向きで何回巻いてあるかを勘定して算出してゆくのだ。

そして、各相で6極に41回ずつ。合計246回。それが3相で738回というところまで突き止めたのだけれど、その途端はっきり言ってめまいがした。

こんな細い銅線を、こんな細い極に738回も巻いてゆくんか・・・。こら相当な単調作業、もとい重労働やなあ。しかし、圧倒的に費用が安くすむし、おまけに電流も強化されるのだ。乗りかかった船やし、いっぺんでも挑戦してみるべ。

しかしながら、その0.85mmのエナメル線をこの函館でどうやって手に入れるか?大阪に住んでいた頃なら、バイクで10分のところにある日本橋でエナメル線くらい簡単に手に入ったのだけれど、ここではそうはいかない。思案に暮れていると、やはりこのネット社会。そういう需要も多いらしく、調べれば電子部品の通販サイトがいくつもあるじゃないか!

「エナメル線」とは言っても、最近はエナメルではなくポリエチレンやポリエステルが絶縁被膜になっているらしい。そこで、耐熱性に優れたポリエステル被覆線を注文する。外した線の長さ合計が30mくらいだったので、40m発注。送料込みで2206円ナリ。これで済めば、交換の十分の一以下だ。

さあ、問題は手間と難易度なのだけれど。

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エナメル線をすべて引っぺがし、そのままでは極に線を固定していたエポキシ接着剤がバリになって残っているので、それもカッターナイフとヤスリで削り取る。すると、まるでヒトデのような芯、というか本体、というか極が現れた。これに線を巻き付けてゆくのだ。ちなみに。コイル本体を外してからここまでの作業時間は、約2時間といったところ。

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届いた線を、各極に41回ずつ、どこかでこすれて被膜が破れないよう慎重に巻いてゆく。もちろん引っ張りながら巻くので、軍手をしていても手がすぐ痛くなる。それに何よりも目が疲れるので、1極巻くごとに休憩だ。5極くらい巻くとかなり疲れるので、作業は次の日に持ち越しにする。

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おかげで、全部巻ききるまで4晩も費やしてしまった。休憩時間を含めると、作業時間は合計8時間くらいはかかったのではないだろうか。非常に疲れた。

さすがに巻き方が荒いのは手作業なのでご愛敬。元々の部品はどうせ機械で巻いているのだろうし。

まずテスターで、変な短絡がないかチェック。異常はないけど、実際にバイクのエンジンに組み付け、エンジンを起動させて電圧を測るまでは安心できない。
とにかく線の上を接着剤で塗り固め、ケーブルを元通りカシメと半田付けの併用で繋ぎ、元通りケーブル固定バンドを取り付ける。

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そして最後の作業。エンジンのダイナモカバーに元通り組み付ける。

カバーをエンジン本体に組み付け、元通り配線し、エンジンオイルを入れる。
ここまでの作業時間は約12時間。

失敗ならば、21794円の賭け(差額)に負けたことになる。12時間にわたる過酷きわまる労働と、2206円がフイになるのだ。誰が緊張せずにおれようか・・・。

祈るような気持ちでエンジン始動!

おっ!ライトが明るいぞ! バッテリーの充電電圧を測ってみると・・・

13.1V!

1日バイクを乗り回してみる。以前なら、帰る頃にはバッテリーが弱ってセルスターターも回らなくなっていたのに、今度はちゃんと始動するし、ライトも明るいまんまだ。

勝った!!

しかしそれに費やした労働力とを秤にかけてみれば、まるで、勝ちはしたものの日本軍を上回る損害を出した、硫黄島攻防戦のアメリカ軍のような気分であった。

決してお勧めはしません。

(ちなみに、これは同じエンジンのジェベル250XCにも使えます)
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