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人なつっこい女の子
ソンテウの車内で、向かいにお母さんと座っていた女の子。最初はぐずっていたが、そのうち雰囲気にも慣れてきたようだった。


南アジアではバスやタクシーのほか、日本ではお目にかかれない乗り物が道路で庶民の足となっている。

有名なのが、タイなどの街なかで自動車の列を縫うように走っている派手な三輪タクシー「トゥクトゥク」だろう。

「軽快な排気音からその名前がついた」らしいのだが、少なくともバンコクの市内ではみんな自動車をも抜かんばかりの速度で「グゴゴゴー」とエンジン全開にして飛ばしていた。かといって名前が「グゴゴゴー」ではサマにならんし、まあこのまんまでええか。

ほかにも125ccくらいの小さなバイクの後部座席に1~3人の客を乗せて走るバイクタクシー。ピックアップトラックの車内に客を詰め込み、荷台に荷物と車内に入りきれない客を高々と積み上げて今にも横転しそうに走る乗り合いトラックなど、スリリングな乗り物がいっぱいだ。

しかしインパクトでかなりいい線をいっているのが、トラックの荷台に座席と鉄カゴのような屋根を無理矢理溶接したような改造バス「ソンテウ」だろう。


滞在していたラオス東部・サワンナケートからバスで南下、メコン川下流にある「シーパンドン」を目指した。

「シーパンドン」とは、「四千の島」という意味だ。その近辺はメコン川の川幅が非常に広くなっていて、そこに大小4000個もの島が浮かんでいる。その中の「ドンデッド(デッド島)」「ドンコン(コン島)」などは、バックパッカーの中ではちょっとしたリゾートとして知られているのだった。
今日は、そのデッド島への渡し船が発着する「バン・ナカサン」という町へバスを乗り継いで移動するのだ。


えらく年季の入った日野自動車製ローカルバスに揺られ5時間。
昼頃にパクセという町に着き、そこから先のバスに乗り継ぐために、ほかのバックパッカーたちとトゥクトゥクに乗った。バン・ナカサンに向かうバスは、不便なことに10km以上離れた別のバスターミナルから出るのだ。

バスターミナルに着いた。すさまじい砂埃に包まれて着いたそこは、市場らしきテントが林立し、トゥクトゥクやトラックがひっきりなしに行き交っているだけだ。ホンマにバス停か?バスはどこや?
話しかけてきたおっちゃんに訊くと、これがバン・ナカサン行きバスだと指さす。

その先には、1トントラックを改造したようなソンテウが待っていた。

これのどこがバスやねん!?座席は木の長いベンチが縦方向に3本だけ。屋根はあるが、背もたれも、窓ガラスもありゃしない。おいおい。こんなんに3時間以上も揺られてゆくんかい?

一瞬タチの悪いソンテウドライバーの仕業かと思ったが、よく見ると行先票もあって「Van Nakasang」と書いてある。既に乗っていた地元客に訊いてみても、どうやらこれが本当に「バン・ナカサン行きバス」のようだ・・・たぶん。

仕方ない。料金もガイドブックに書いてあるバスのより割高だが、いかんせん2年前のものなので値上げしたのかもしれぬ。また、これに乗らなければ着くのは夜になり、島行きの船がないかも知れない。周りのバックパッカーとも相談して結局これに乗ることにした。背に腹は代えられないのだ。


「もうすぐ出発するよ」と聞いてから50分。次々と乗ってきた地元客で車内がすし詰めと化した13時半、やっと砂埃を巻き上げながら、ソンテウはバスターミナルを出た。

さらに途中で何人かが乗り込み、後ろのステップにも人が立つ大盛況になった。数えると32人。座席は通勤電車の7人掛けくらいの長さに11人が座っている有様で、真ん中の席にも4人座っているから足さえ動かせない。足の踏み場もないとはこの事だ。思わず「ドナドナドーナードーナー・・・」と唄いたくなってくる。

大きな荷物は屋根の上に上げてあるが、座席の下も荷物で一杯だ。スイカが何個も置いてあって、ブレーキを踏むたんびにゴロンゴロンと転がっている。水を入れた袋の中では、いっぱいの魚が狭苦しそうに泳いでいる。座っている若いお兄ちゃんの足の間には闘鶏用のごついニワトリがいて、揺れるたんびに「コーッコッコー!」と不機嫌そうに鳴いている。

おばちゃんの一人は、薬草を噛んで口の中をピンク色にしながら、しきりに外にもピンク色の唾を吐いている。男の子は、運転席の後ろにかじりついて前を見たまんま動こうとしない。お母ちゃんの膝に乗った女の子は、眠ったり食べたりぐずったり笑ったり忙しい。急に停まったかと思うと、何人かが草むらに入って行き、数分後にすっきりした顔で戻ってくる。トイレ休憩もワイルドだ。

なかなか楽しいじゃないか。バスならあまりほかの乗客の様子まで見えないのだが、ソンテウなら至近距離の向かい合わせなので丸見えだ。風は遠慮なく吹き込むが、舗装路なのでダート道のように砂埃まみれになることもない。乗り心地もさほど悪くもないし、そのうち人が降りて空いてくれば案外快適になる。

停まると物売りが集まってくる。ジュースや水、焼き鳥やカオニャオ(蒸かしたもち米)、焼いた虫の串刺しなどなど。
コーラを買おうとすると「ウチのを買って!」と言わんばかりにみんな膝の上に置こうとする。3本もいらんいらん!

結局カオニャオと焼き鳥とコーラを買い、昼メシだ。

おや?みんなニンニクのような球根のような物を食べとるぞ。何やろう?すると視線を察したのか、向かいの少年が分けてくれた。皮をむいてかじると、何やろう?味の薄いリンゴのような、ユリ根のような・・・何とも形容し難い味だ。不味くはない。でもバスなら恐らく興味が湧かなかっただろう。そう考えると、こんな乗り物に乗れたことが、妙に有難く思えてくるのだった。


予想通り3時間後、バン・ナカサンに着いた。こんなカチカチのシートに3時間も詰め込まれていたら相当疲れも溜まるところだが、意外にも足取りは軽かった。今まで乗ったバスと違って、道中も人間ウオッチングで全く退屈しなかったからかもしれない。

4列シートのエアコン付きツーリストバスもいいが、こういう乗り物も無くならないで欲しいと思うのであった。


夜明けのバスターミナル
夜明けのサワンナケートバスターミナル。ラオスでの移動はほとんど一日がかりなので、どうしても早朝発のバスに乗らねばならない。
これがソンテウ
埃っぽいパクセバスターミナルで発車を待つソンテウ。

物売りがすごい
発車待ちの間に、入れ替わり立ち替わり物売りがやってくる。鬱陶しくもあるが、冷えたコーラなんかを差し出されると、思わず手が伸びる。

何だって載せられる
途中の町で下ろす生活物資も山積みだ。バイクでも何でも載せてしまう。

原野の真ん中でトイレ休憩
時々、原野の真ん中で停車。トイレ休憩だがもちろん公衆トイレなどはなく、みんなワラワラと草むらの中に入ってゆく。

混むソンテウの車内
すし詰めだったが、そのうち少しは身動きがとれる状態になってきた。地元の人たちも、バックパッカーも、そして荷物もみんな一緒くた。

生活物資を下ろしながら進む
途中の町に立ち寄っては、生活物資を下ろしてゆく。交通の発達していないラオスでは、ソンテウは離島のフェリーのような存在なのだろう。

やっとバン・ナカサン着
夕方、やっとバン・ナカサンに到着。疲れた~。
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