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バイクは小型だが、それでも最高の気分。


ー、バイクに乗りたい!

旅に出てから3ヶ月が過ぎ、そろそろ禁断症状が出始めていた。ハーレーやBMWとは言わん。スクーターでも、カブでもええ。とにかく走りたい。


私は日本国内では、冬場を除いてもっぱら250ccのオフロードバイクで旅をしている。

鉄道や公共交通機関では常に時刻表とにらめっこしながら予定を立てなければならず、行動範囲も限られるからだ。
かといって自動車は小回りが利かないし、ひとたび渋滞に捕まるとひたすら我慢の連続になる。大学時代は自転車にキャンプ道具を積みこんで走ったものだが、この歳になると悲しいことに向かい風や果てしなく続く坂道に立ち向かってゆく体力と根性もない。

苦労と費用と行動範囲と得られるモノとを秤に掛けて、一番バランスのとれた移動手段がバイクなのだと思う。

長時間走ればケツと股間の感覚がなくなるし、雨の日は危険な上にひたすら不快感と闘わなければならない苦労もあるが、何よりも、晴れた日に風を切って走る快感、風景と一体になれたかのような感覚も、バイクならではだろう。

アジアの各国は、まさにバイク天国だ。道には自動車よりも遙かに多いバイクが行き交っている。

しかし、いざそれを借りるとなるとどうもレンタバイク屋の数が少なく、結局どこの国でも乗っていない。そもそも、ほとんどの観光はレンタサイクルやツアーで事足りて、わざわざバイクを使うまでもないのだから。
そしてこちらの交通マナーのひどさも思い知らされていたので、バンコクやビエンチャンのような交通量の多い都会では、怪我したら?保険はあるのか?警察や医療機関は大丈夫か?などと考えると怖くて乗る気にならなかった。せっかく国際免許も取ってきたのに勿体ない話だ。


さて、ここルアンナムターにはレンタルバイク屋が2軒あるという。交通量も少ない田舎町だから安全だろう。付近の少数民族の村を訪れるのにも便利だし、久々に乗ってみるとするか。

まず一軒目に行って品定めをする。1日5ドル。1台だけ残っていたのは東南アジアでおなじみのホンダ・ドリームⅡ110。ホンダが世界に誇るスーパーカブの兄貴分だ。ところがその絶大な信頼性を否定するかのように、何とリアブレーキがスカスカではないか。おいおい、滅多に壊れんカブでもこの有様か。どんな整備をしとるんだ?

渋っていると店の兄ちゃんが「修理してくる」と言ってどこかへ乗って行ってしまったが、んなもん待ってられるかい。次の店へ行こう。


二軒目は「LIFAN」と「LONCIN」とかいう聞いたことがないメーカーの110ccが1台ずつ。片方は今度はフロントブレーキがスカスカだ。全く効かない。店の兄ちゃんはニコニコしながら「ボー・ペンニャン(ラオス語でノー・プロブレム)!」と繰り返すのだが、どこがやねん!ペンニャンあり過ぎやがな!こんな砂の浮いた道でリアブレーキだけ使うたらすぐロックして転けるやないか!

もう片方も外装があちこち割れていて、かなりくたびれている。何となく不安だ。しかもこの店は1日6ドルで頑として下げない。隣は5ドル言うとるで!ホンダより安もん(多分)やのに何で高いねん!そんなん誰が借りたるかボケ!

交渉決裂。たった1ドルのために一軒目に戻る。でも修理終わってるやろか・・・。


さっきの兄ちゃんが「見て見て!」とばかりにブレーキペダルを踏んで見せる。さっきから10分くらいしか経っていないのに、もう直っとるやないか!何ちゅう早業!よっしゃこれに決めた!と喜び勇んで燈火類をチェック。左後ろのウインカーが点かないが、そのくらいはボーペンニャンだ。しかしホンマにレンタル専用車か?いつもの足に使ってるんがたまたま空いてただけとちゃうんかい?

あれ?車体のステッカーは「HONDA DreamⅡ」なのに、よく見るとエンジンの刻印は「LIFAN」だ。何じゃこりゃ?

ハハァ・・・タイからベトナム、ラオスまで、バイク屋ではよく車体に貼るステッカーを売っとったが、この為やったんか・・・。日本でも、車にステッカーやオプションパーツをやたらゴテゴテと貼り付けたがる輩がいるが、見栄の張り方はどこの国でも似たようなものだな。

それにしても本家のドリームⅡにそっくりやなあ。これもどこぞの国によるコピー商品だろうか?本田宗一郎さん、カブが世界中でコピーされてる現状をどない思います?


ヘルメットの貸し出しはなかった。もっとも、ラオスでは9割くらいは被っていないように思う。着用義務もないのだろう。いつもならノーヘル運転は怖くてしょうがないが、どうせスピードも出ないし、時速40キロくらいでのんびり行こう。

また、すぐにガソリンを入れてくれと言う。確かにメーターは下に振り切っているので、こちらでは満タンにして返すなどという決まりはないらしい。いかにもラオスだ。すぐそばのガススタまで行き、どうせ燃費はいいので5000キープ分だけ入れる。ちなみにリッター68円と、こちらの所得水準からすればかなり高い。

やっと準備は整った。恐る恐る走り出す。以前カブの50に乗っていたので自動クラッチやロータリー式変速には慣れているのだが、やはり道が怖く感じる。何と言ってもここは日本と違って右側通行なのだから。

ちなみにタイは左側通行だ。なぜ隣り合った、言葉もある程度通じる国で通行方向が違うのかと思ったが、これはラオスやカンボジア、ベトナムがフランスの植民地だったことと関係がありそうだ。フランスや欧米諸国は、イギリスを除いて右側通行なのだから。タイはどの国の支配も受けなかったので、左側通行のままなのだろう。

余談ながら、通行方向に応じて自動車は右ハンドル左ハンドルの区別があるのに、何故バイクや自転車のスタンドは左にしかついていないのだ?

右側通行の道では、必然的にバイクより車道側にまわって乗り降りしなければならない。これは危険だ。自動車のハンドルが常にセンターライン側なのは死角の少なさなどから当然だと思うが、それと同様に、常に歩道側から乗り降りできるよう右側スタンドのバイクや自転車を作ろうと思った奴はおらんのか?


そんなどうでもいいことを考えながら、田んぼの中を抜けるダート道を走ってゆく。交通量も少なく、時々同じようにのんびり走っているバイクとすれ違うくらいだ。

今日は快晴。おかげでとんでもなく暑いが、気持ちがいい。周りの景色はどこまでも広がる田んぼ、ぽつぽつと建っている高床式の家、低い山々。川では子供らが水遊びをしているし、道にはシンを巻いたお姉ちゃんやおばちゃんに混じって牛や、雛を従えた鶏がのんびり歩いている。ここまで牧歌的な風景は北海道でも見たことがない。

たまに自動車やトラックがすさまじい土埃を上げてゆくが、都会で排気ガスにまみれるより数段ましだ。ここ数年で急速に舗装が進んだとはいえ、主要道路以外はまだダート道だらけなのだから。

どうもさっきから、すれ違う人たちがこちらをじろじろ見る。おかしいな。欧米人と違って日本人は顔立ちも背格好も現地人に近いのに、なんで観光客やと分かるのだ?それにルナンナムターは北部の中継地点で、観光客だって珍しくはない筈なのに。要はバイクで観光する物好きはおらんと言うことか。この程度の大きさの町を見て回るには一番適していると思うのだが。

途中、ランテン族という少数民族の村を通った。こちらの女性は15歳以上になると眉毛を剃るということで、ちょっと顔が怖くもあるが、すれ違おうとするとにこやかに道を空けてくれる。藍染めの衣装も素敵である。

よく見れば、2歳くらいの男の子が庭でしゃがんでウンコをしていた。日本ならまだ親の助けなしではできない年頃だが、こちらの子はオムツなど履かず下半身スッポンポンで走り回っているせいか、そのへんは自立しているようだ。なかなか面白い、村の一コマだった。


夕方6時まで走り回って、バイクを返した。

結局、心配していた故障やトラブルは起きなかったが、それと紙一重であるラオスのバイク事情を実感した。まともに整備もされず、とりあえず走れるという状態で人や物を運び、健気にもラオスの生活に貢献しているのだ。乗る人も、やたらと修理するよりそのバイクに調子に合わせた運転をするのだという。日本のちゃんと整備されてピカピカに磨かれて走っているバイクの何と幸せなことよ・・・。


ヘルメットがないせいもあってのんびり行脚だったが、おかげで景色や集落の生活を感じることが出来て満足だった。

そう言えば250ccに乗るようになってからはパワーがあるので、のんびりのつもりでも意外とスピードが速く、見過ごしていたものも多かったのではないか。学生時代の自転車ツーリングで味わった、周りの景色との一体感を思い出したような気がする。

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集落の中を通ると、人たちの生活に触れることが出来る。小さいバイクならではの醍醐味。

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一面に広がる水田、緑に覆われた低い山々。日本と見まごう風景だ。

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ご覧のように道路はデコボコで、車とすれ違う度にすさまじい砂埃が舞い上がる。でも気分は悪くない。

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エンジンの刻印さえなければ見分けがつかないほど、ドリーム110にそっくり。

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前日の福山通運に続いて、今度は社名入りのダンプカー。しかも長野と書いてあるのまで残っている。日本では、まだ十分使い物になる車がいかに多く廃車になっているかを物語っているようだ。
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