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この衣装は黒ターイ(タイダム)族。家にお邪魔させてもらう。布を買うということもあって入らせてもらえたのかもしれないが、それほどこれ買えあれ買えとも押し付けず、終始にこやかに穏やかに接してくれた。その前に行った別民族の集落では凄まじいほどの押し売り攻撃に遭っただけに、印象に残った。果たしてこの差は民族性の違いなのか、それとも観光客擦れの程度なのか・・・。


本は、単一民族国家だ。


正確に言えばアイヌ民族や、太平洋戦争時に日本に連れて来られた朝鮮半島の人たちもいる。南西諸島の人たちもルーツは異なるらしい。単一民族と言うのにはやや語弊があるが、一応はそういうことになっているようだ。
だから、町なかでチマ・チョゴリなどの民族衣装を見かける機会などほとんど無いし、仮に見かけたとしてもそれが自国に存在している文化だとは簡単に認識できないだろう。島国だという閉鎖性がそうさせているのかもしれない。

対して海に面していないラオスは、超がつくほどの多民族国家だ。流入してきたベトナム系や中国系も含めると実に百以上の民族がひしめき、それぞれが独自の文化を堅持している。


昨日ルアンナムターからソンテウに乗り、ラオス北部、中国との辺境に位置する小さな町ムアンシンにやってきた。

町の周りには山岳少数民族の集落が点在していて、町なかでも様々な民族衣装を目にすることができるという。銀色のアクセサリーがいっぱいついた帽子を常にかぶっているアカ族、藍染めのシンプルな衣装を着て、大人の女性は眉を剃り落としているランテン族、髪の毛を頭の上に巻き上げているタイ・ダム族など、ソンテウを降りて宿までの道を歩いている間にも見つけることができた。朝の市場にでも行けば、買い出しに来ているたくさんの少数民族と出くわすことができるだろう。


写真を撮りまくっている私にとって格好の被写体だらけの筈のムアンシンだが、ちょっと心配事と言うべきか、引っかかっていることがあった。
ここ最近、観光客のマナーが問題になっているという。民族衣装を着た人たちに無遠慮にカメラを向けたり、生活圏の中に土足で踏み込むような真似をしたりして、かなりひんしゅくを買っているそうなのだ。

確かに自分たちがもし「大阪人という民族はお好み焼きという食物と阪神タイガースという野球のチームをこよなく愛し、事あるごとに民族衣装であるそのチームのユニフォームを着て、道頓堀という川で沐浴するのを習慣としている」などとロンリー・プラネットで紹介されていて、外国人から「オー、ハンシン、キテ、ドウトンボリ、オヨイデ、クレマセンカ?」などと珍しげにカメラを向けられるのは気分のいいものではない。ましてや家の中に入られるようなことがあっては腹も立つだろう。

何かトラブルにでもなるとコトだし、私もそこまでして写真を撮るのは気が引ける。されど、虎穴に入らずんば虎児を得ず。そんなことを気にし過ぎてはいい写真も撮れないという意見もあって難しいところである。十年ほど前に世界中で物議を醸した「衰弱した少女を狙うハゲタカ」の写真ほどの問題ではないが、「撮るべきか、相手を尊重すべきか」という悩みは尽きない。

あ~、せめて現地語が喋れたら「ちょっと撮らしてもうてええ?いや~、ねえちゃん美人やから、日本帰ったらファッション誌に紹介しよう思て。ギャラ?勘弁してーな」くらいに冗談も交えて友好的交渉ができるんやけど・・・おれって結構小心もんかもしれんなあ・・・こらナンパするくらいの心構えで行かねば。


宿に長いこと滞在している日本人の女性が、近くにある少数民族の村へ布を買いに行くというのでついて行くことにした。

カメラを構えた外国人と見るや即座に嫌な顔をされるのではないかと最初は思っていたが、とりあえず「写真を撮っていいか?」という言葉は分からないのでカメラを指さして笑いかける。すると、それを見て周りから子供たちが次々に集まってくるではないか。で、取り終わったデジカメ画面を見せると大喜びで、僕も、私も、という勢いだ。そのうち普段の服装で家事をしていた周りの大人までもが、撮ってくれと民族衣装に着替えてきたりもして、こちらの方が戸惑ってしまう。無遠慮にカメラを向けるまでもなく、向こうの方が乗り気なのだ。

もちろん全員そういうわけではなく、中には恥ずかしがって奥に引っ込んだり、手を振って断ったりする人もいたが、それほど嫌がられることもなかった。授業中の小学校にもお邪魔したのだが、先生も「どこから来たんだ?」という具合に友好的に接してくれた。布売りの人たちに囲まれることもあって閉口したが、案外これなら簡単に撮影できるかも知れない。


しかし、順調に進んだのはここだけだった。後は観光客に晒され続けた結果のムアンシンを目の当たりにすることになる。


翌日、早起きして朝市に行ってみた。

朝市は予想通り少数民族が集まってきていた。しかし、やはりというか、民族衣装フル装備の人たちは少ない。そりゃそうだ。Tシャツと巻きスカートの方が生活に便利なのは間違いないのだから。その中でも比較的民族衣装で固めているおばちゃんたちにカメラを向ける。すると「○△×ー!」と、親指と人差し指で輪を作って差し出してきた。どうやら「私らを撮るならお金をくれ」と言っているらしいのだ。

何だか「萎え~」だ。外国人たちは気前よく金を渡しているのかもしれないが、アンタら、ひょっとしたら観光客から金もらうためにわざわざ衣装を着てるんとちゃうか?どこぞのアイドルが「事務所を通して下さい」言うてるんやあるまいし、欲張りにも程がある!誰が撮ったるかいボケ!

しかしそうなると、なかなか絵になる人がいない。店のおばちゃんたちは、物を買うついでにカメラを向けると気前よく撮らせてくれたが、一般の通行人はそうはいかないようだ。

フル装備のアカ族の若いお姉ちゃんが歩いていたので頼むと、少し困ったような顔をして手を振った。やはりダメか。絵になったので、いっそのことお金を渡して納得させようとも思ったが、やはりそれは気が進まぬ。いろんな雑誌やホームページなどに載っている写真も、みんなお金を渡して撮らせてもらっているのだろうか?こちらも仕事として撮る必要があるのなら割り切れるのだが・・・。

宿の前で喋っていると、赤いマフラーのような布を巻いたヤオ族の若い女性が通りかかった。ヤオ族の人を見るのは初めてだ。急いでカメラを持って向かい、カメラを指さして笑いかける。向こうもニッコリ笑ったのでOKかと思うと、そのまま「ダメダメ」と言わんばかりに手を振り、舌を出してアッカンベーをしてきたのであった。
思わず苦笑した。お金などを要求されると気分も悪いが、これなら「まあ、しゃあないなー」と思ってしまう。

どうやら少数民族の人たちもみんな、完全に観光客のあしらい方を身につけているらしい。こっちが遠慮するまでもなく、あっちの方が一枚も二枚も上手だった。残念!いい絵を撮り損ねたわい。


いろいろな反応を見せられたが、中でもお金を要求されたことがずっと引っかかっていた。ただ、これも考えようかも知れない。


民族衣装というものは今やどこの国でも衰退しつつある。特に山岳民族のそれは凝った刺繍や飾り物がついていて、日常生活には不便だろう。日本の和服も同じだ。一人で着るのは至難の業だし、汚れなどにも気を遣う。だいいち、町なかを歩いていても和服姿を見かけることなどほとんどない。

しかし、日本観光に来た外国人に、その姿を一回も見ずに帰ってしまっている人がかなりいるとしたら、これは我々日本人にしても残念なことじゃないだろうか。折角はるばる来てくれたのに、日本の誇るべき大切な民族衣装に触れてもらえなかったということなのだから。

それならば、たとえ手を加えたり再現したりしてもいい。和服姿の人がいる風景がもっとあったらと思うのだ。それが日本の伝統を維持してゆくということにもつながるのではないか。また、私がもし日本を訪れた外国人だったとしたら、多少お金は払っても、多少作り物だったとしても、全く見られないよりはマシだと思うだろう。

伝統を維持してゆくのには努力が必要だ。そう考えると、たとえあのアカ族のおばちゃんにお金を渡したとしても、それで民族衣装を着続けてくれるのなら納得してもいいのではないか。民族伝統の維持と、民族衣装の人たちがたむろするというムアンシンの景観保持に役立っていると思えば、腹も立つまい。


カンボジアのアンコール遺跡で観光案内をしてきた少年たちにチップを渡したこともあったな。目の前のモヤモヤが晴れてくるような気がした。

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別な民族の村へ。ここは、みんな写真を撮られることには好意的で、子供から大人まで、撮ってくれとばかりに集まってくる。しかしお金を要求されることも、布を売りつけられることもなかった。

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おばちゃんが、ひときわ派手な衣装を着て出てきた。ただ、何族なのかが分からない。連れて行ってくれた女性も知らないと言うし、宿に帰ってネットで調べてみても出て来ない。現地語で聞ければ一発で解決するのだが・・・誰か教えて!

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若いお姉ちゃんらも着替えてきた。一張羅を着て嬉しそう。しかしこれだけ特徴的な衣装なのに、民族が分からないのは何とも悔しい。

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上写真右端のお姉ちゃんは頭にターバンを巻いているが、正装の帽子はこれらしい。何とも凝った飾りが美しい。アカ族の帽子も銀の飾りがいっぱいついてて派手だが、町でよく見かける彼らほど着用率は高くない。重そうだし。

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集落を去る頃には、おばちゃんも普段着に戻って家事を始めた。

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近くの学校にお邪魔する。みんなそれほど私たちを珍しがらないのは、普段外国人を見慣れているからだろうか。かといって、擦れているところまでは行っていないようで、この程度を保ってほしいと勝手ながら思う。

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声をかけると、すぐに集まってきてくれた。恐らくラオ族、タイダム族、モン族の子供たちだ。

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軒先をちょっと失礼。二人とも顔を見合わせて大笑い。

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さっきの学校へ。今度は授業中だったが、参観させて下さ~い。

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はいはい、こっち気にしてんで、授業に集中しなさい。あ、邪魔してるんは私ですか?ごめんなさい。
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